竹山道雄の思いと「ビルマの竪琴」


竹山道雄と聞いて、「ビルマの竪琴」しか思い浮かばない浅学以下の教養しかないボクですが、先週の某紙の文化記事で、彼が、ドイツ文学者で東京大学教養学部教授であったことを知った。確かに自分の本棚のニーチェの本(ちゃんと読んでないのでほとんど「飾り」である)は、竹山道雄訳のものがあることに気づいたりした。
彼の教え子であった芳賀徹は、恩師、竹山道雄の弔辞で、「時流を恐れるな、時流から隠遁いんとんするな、時流を見つめよ、しかし時流に惑わされるな、時流をこえて人間と世界を思え、そのために歴史を学べ、古典に触れよ、コレルリの音楽にも海北友松の絵にも神魂(かもす)神社の建築にもおののく深い広い心をもて」と語ったそうである。色々調べると、彼の生き様と精神のあり方をまさによく表しているように思えてならないと感心した。そんな思いで、もともと児童書だった「ビルマの竪琴」を読むと半世紀を生きてきた自分の琴線に触れるのが多くあった。
竹山道雄の娘婿が、平川祐弘であったのも少し驚きであった。学生時代、「和魂洋才の系譜―内と外からの明治日本」という本を読んで、感動したことを覚えている。自国のアイデンティティを求めて読んだ書籍の一つである。

その後、たまたま、2年連続で、7月4日に米国に滞在した。ブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)の「Born in the U.S.A」を何度か耳にした。一聞、愛国歌に聞こえるが、ベトナム戦争の帰還兵の歌である。自らのアイデンティティを持ちたいと強く思ったことを思い出す。
今更であるが、「時流を恐れるな、時流から隠遁いんとんするな、時流を見つめよ、しかし時流に惑わされるな、時流をこえて人間と世界を思え・・・」とありたい。